新型コロナウィルスとのたたかいが長く続いています。心が動揺し、緊張する日々が続きます。
その中でも、園の桜や園庭のツツジがいつものように、雨、風にも負けずに、ただ、ただ懸命に花を咲かせている姿を見るとなんだか心が落ち着く気がします。
園児、保護者、職員みんなの命と健康を守りながら、社会経済活動の維持も両立させねばならないため、みんなで理解して、協力して健康維持・管理をしっかり行う必要があると思います。そして行動変容をすることで、その両立を可能にすることができると思います。今までとは異なるかもしれませんが、みんなで油断せずに臨みたいと思います。
今年度も園では、優先させるべきことをしっかり考え、何をやめ、何を行い、何を変更するか考えて保育園運営にあたっていきたいと思います。
昨年度も子どもたちが一番の権利主体者という考えを常に持ち、保育者主導の保育でなく、子どもの主体性を尊重した中で、学びを得る機会を意識した保育をすることができました。
言葉で表すと固く感じられるかもしれませんが、これは子どもたちの思いや興味を大切にした、とても楽しい保育になっていると考えています。
そしてこういう楽しい毎日の中で、友だちや先生、保護者の方と心と心が触れ合うその一瞬一瞬を大切にすることが、子どもたちの心を育んでくれる大切なものになると思っています。そして心が安定していれば何かに直面した時にも正しい判断や反応を示すことが、出来ると信じています。
保育(教育)は大きく変わり始めています。これまでの教育(生き方といってもいいのかもしれません)方向性は何となく決まっていたように思います。わたしたちがやってきたように・・正解はこちらですみたいな感じでしょうか。効率化、利益など人目線で考えすぎてしまったことで、地球規模の問題が膨らんでいることもその要因だと思います。
これからもっと多様性や持続可能、環境などを視点に加え、豊かさ、幸せの基準もかわってくるかもしれません。いや変わらなくてはならないのかもしれません。
そういう意味でこれからは、正解のない問いを大切にして、子どもたちと先生たちも大人も一緒に考えていこうという風にしていかねばならないと思っています。我々が受けてきていない教育の形でもあるでしょうから最初は戸惑いそうですね。でも子どもたちと一緒に考えられるのは楽しみでもあります。
子どもを真ん中に置いた、子どもの権利や主体性を尊重することを大切に思いながら、その世界・将来を担う子どもたちに、願いを持って保育していきたいと思います。
子どもたちにとって最善の環境をつくっていけるように、これからも精一杯、保護者の皆様と一緒に悩んで、共に喜びあえる園でありたいと思います。保育園生活を通して、今しかできない、一度しかない子育てを大切にしながら、広がっていく皆様の人生も豊かになることを願っております。
令和4年 5月20日
社会福祉法人 大慈会
たつのこのはら保育園
園長 石丸 慎介