新型コロナウィルスの影響により、いつも通りの毎日が、いつも通りでなくなりました。
世界中で、苦しんだり、悲しんだりしている人が多くいらっしゃると思います。心より御見舞い申し上げます。
心が動揺し、緊張するその中でも、桜や園庭のツツジがいつものように、雨や風にも負けずに、ただ、ただ懸命に花を咲かせている姿を見るとなんだか心が落ち着く気がします。
思い返すと日々緊張感のある中、怒涛のような数か月でした。現在緊急事態宣言は、解除されましたが、宣言の解除が安全宣言というわけではありませんので油断はできません。
とはいえ、社会経済活動の維持も両立させねばならないため、新しい生活様式を定着させつつ、その両立を可能にする必要がありますので、今までとは異なるかもしれませんが、日常に近づいていけばいいと思っています。
今、園でも、どのように新しい生活様式を取り入れれば最適なのか思案しております。われわれも今までの生活が、またそれに近い生活に戻ることができればと何度も思いましたが、今優先させるべきことをしっかり考え、何をやめ、何を行い、何を変更するか考えて保育にあたっています。
朝の会、ごはんの食べ方や、絵本の読み方、お昼寝の仕方、行事などいろいろ変わっています。
時には子どもたちと話し合って変えていきました。子どもたちは、この有事を小さな体で、頭で、そして純粋な心で子どもたちなりに考え、理解しようとしている姿も多くあります。そのたびに我々はその細くて、その小さい心持に寄り添い、心を整えていきたいと考えています。
様々な生活の変更や行事の変化の中でもはありますが、保育者主導の保育でなく子どもの主体性を尊重した学びを得る機会を多く意識した保育を心がけたいと考えています。
言葉で表すと固く感じられるかもしれませんが、これは子どもたちの思いや興味を大切にした、とても楽しい保育になると考えています。そしてこういう楽しい毎日の中で、友だちや先生、保護者の方と心と心が触れ合うその一瞬一瞬を大切にすることが、子どもたちの心を育んでくれる大切なものになると思っています。そして心が安定していれば何かに直面した時にも正しい判断や反応を示すことが、出来ると信じています。
できる、できないではなく、うまい、うまくないでない、見栄えがいい悪いではない、目に見えにくいけれども、何より大切な心を保護者の皆様と育てていきたいと考えています。
ご家庭と連携しながら子どもたちにとって最善の環境をいっしょにつくっていければと思います。
これからも精一杯、保護者の皆様と一緒に悩んで、共に喜びあえる園でありたいと思います。
最後に子育ては大変なことも確かにあると思います。悩まれることもあるでしょう。
ですが、子育ては期間限定であると言えます。
保育園生活を通して、今しかできない、一度しかない子育てを大切にしながら、広がっていく皆様の人生も豊かになることを願っております。
令和2年 7月29日
社会福祉法人 大慈会
たつのこのはら保育園
園長 石丸 慎介